関西が拠点のLCC「ピーチ・アビエーション」。11月2日に羽田空港のピーチ3つ目の国際線として羽田〜上海浦東線に新規就航しました。この路線はLCC春秋航空や格安レガシーも運航する激戦区。ピーチの魅力は何なのか、初便に乗って体感してきました!
LCCピーチが関西・羽田~上海線に新規就航!
関西空港を拠点に運航するLCC「ピーチ・アビエーション」(以下ピーチ)。
この11月に新たに関西空港と羽田空港から上海・浦東空港を結ぶ路線に新規就航しました。
ピーチの上海線のタイムスケジュールは以下の通りです。
関西~上海浦東(11月1日就航)
運航日:火・木・金・土・日
MM079便
関西 午後10時25分発
上海浦東 翌午前0時20分着
MM080便
上海浦東 午前6時05分発
関西 午前9時15分着
羽田~上海浦東(11月2日就航)
運航日:月・水・金・土・日
MM1079便
羽田 午前2時10分発
上海浦東 午前5時00分着
MM1078便
上海浦東 午前1時25分発
羽田 午前4時55分着
今回ピーチが新規就航した羽田~上海浦東の路線には、中国最大のLCC「春秋航空」や格安レガシーとして知られる「吉祥航空」など中国系のエアラインが既に就航していて、激戦区ともいえる路線にピーチが参入する形になっています。
では、この激戦区の羽田~上海浦東線でピーチを選ぶメリットは何なのでしょうか?それを確かめるべく、いがモバは羽田発上海浦東行きのピーチの初便に乗ってみることにしました。
ピーチ 羽田~上海MM1079便 初便搭乗レポート
11月2日(水)午前0時半。いがモバは京浜急行の終電に乗って羽田空港の国際線ターミナルにやってきました。
ピーチのチェックインカウンターは羽田国際線ターミナル右手奥のAカウンターにあります。
ちょうど同じくらいの時間にピーチのソウル行きの便があるので、列にはソウル便の乗客も多く並んでいました。
ピーチは10キロまで機内持ち込みが可能!
ピーチはLCCなので預け荷物は有料です。無料で機内に持ち込むことができるのは、スーツケース1つと身の回りのもの1つの合計2個、重さは合計10キロまでです。
LCCとしては制限が緩い方で、2泊程度のスーツケースであれば重さ的にもそのまま持ち込むことができます。
こうしてピーチの羽田発上海浦東行きMM1079便の記念すべき初便のチケットをゲット。
手荷物検査と出国審査を終えて、搭乗ゲートに進みます。
搭乗ゲートで就航記念セレモニーを開催
ピーチの上海浦東行きに搭乗する109番ゲートの前には就航を記念したステージが作られていて、ピーチの客室乗務員によるフォトセッションと就航記念セレモニーが行われました。
沢山の取材陣が来ていたので、この式典の様子を目にした方も多いかもしれません。
「0泊も可能!空飛ぶ電車ピーチで上海満喫を」
上海便の就航セレモニーでは、ピーチの客室乗務員がピーチの羽田上海便のメリットを紹介しました。
就航記念セレモニー・ピーチのCAが語る羽田上海便の魅力
ピーチCA:上海には朝の5時ごろ到着。一日上海を楽しんだ後、深夜1時25分に上海を出発。羽田空港には午前4時55分ごろに到着します。
これなら、飲茶を食べに行くだけ・友達や単身赴任中のご家族に会いになど、少しタフなスケジュールではありますが、気軽に上海を楽しんでいただけます。こんな使い方は「空飛ぶ電車」ピーチならではではないでしょうか?
もちろん、リーズナブルに上海へ行っていただき、高級ホテルに宿泊するなどゆっくりとアジア最先端の街・上海を満喫していただく楽しみ方もアリだと思います。
本日、上海線にお乗りになるお客様は上海のどんな楽しみ方をされるのでしょうか?今度機内でお会いした時にぜひお聞かせください。
初便はCAさんと一緒に記念撮影もOK!
搭乗ゲート横には初便を記念したフォトスポットが設けられていました。先ほどのピーチの客室乗務員のお二方と一緒に記念撮影でパシャリ。
カメラはピーチのスタッフが代わりに撮影してくれるなど、とてもフレンドリーで良いサービスだと思いました。こういう所がピーチらしさですよね。
こうして撮影した写真は乗客それぞれのSNSで拡散されるので、とても効果的な広告の方法だと思います。
午前2時すぎ 上海行きの初便の搭乗開始
そして、午前2時すぎ。ピーチMM1079便上海浦東行きの初便の搭乗が始まりました。
搭乗ゲートでは先ほどのピーチの客室乗務員とスタッフがハイタッチでお見送り。
「行ってらっしゃい!」
このようなお見送りは初めての体験だったので、初便のお祭り感にテンションが高まります。
気になる初便の記念品は?
搭乗ゲートではピーチの羽田~上海浦東線の初便の記念品が配られました。
夜景が有名な上海の浦東の建物群とピーチの飛行機が描かれたポーチと、タグの2つが入っていました。タグには路線名と11月2日の日付も入っていたので、この初便でしか貰えないレアなものになります。
機内に乗り込むと、ピーチのCAさんが笑顔でお出迎え。就航おめでとうございます!
エアバスA320-200型機の180席のうち、この羽田発の初便は172名が搭乗し、ほぼ満席の状態だったそうです。
日本人の乗客、中でも20代くらいの若い世代の方が多いのが印象的でした。
ピーチの標準座席はどんな感じ?
LCCで気になるのが座席の快適さですよね。
こちらがピーチの標準座席の「スタンダードシート」。紫色のレザーシートです。
足元は握りこぶしギリギリ一つ・国内LCCの中では狭い座席
この日の初便はピーチの飛行機の中では初期型のシートだったのですが、足元が他社LCCより少し狭いのが欠点です。
身長175センチのいがモバが座った場合、膝の前に握りこぶし1つギリギリ入るか入らないくらいのスペースしかありません。
上海までのフライトは約3時間なので個人的には問題ありませんが、初めてLCCに乗るという方は少し窮屈に感じるかもしれません。
日本のLCCの先駆けでもあるピーチですが、シートが若干へたっている機材が増えてきたので、そろそろ見直す時期が来ていると思います。
日本語で非常用設備のデモンストレーション
出発の準備が整うと、客室乗務員が非常時の設備についてのデモンストレーションを行います。
日本の航空会社なので当たり前ですが、日本語によって説明が行われるので私たち日本人にとっては分かりやすくて助かります。
この日のピーチの客室乗務員は一つ一つの所作が丁寧で好印象でした。
知ってた?ピーチCAのカワイイ挨拶「カーテシー」
安全設備の説明が終わると最後にピーチの客室乗務員が挨拶をするのですが、見逃せない一瞬があります。
実はピーチの客室乗務員は説明の最後のあいさつで、片足を後ろに置いて膝を曲げて挨拶する「カーテシー」(curtsy)を行います。
「カーテシー」はヨーロッパの女性が行う伝統的なあいさつで、バレエなどでも行うのでご存じの方も多いかもしれません。
とても女性らしく可憐で素敵な挨拶ですよね。ピーチに乗ったらぜひこの「カーテシー」のあいさつをお見逃しなく!
上海に向けピーチMM1079便の初便が離陸!
そして午前2時36分、ピーチMM1079便上海浦東行きの初便が羽田空港を離陸しました。
東京の夜景があっという間に小さく遠ざかっていきます。いざ上海へ!
離陸から約8分後、機体が安定飛行になりシートベルトサインが消灯しました。
ここからピーチのお楽しみの時間、機内販売が始まります。
この日のピーチの上海行きの初便には5名の客室乗務員が乗務していました。
1名が後ろのギャレーで作業を行い、2名ずつCAがコンビを組んで2台のカートを出して機内販売を行いました。笑顔が素敵です。
今回チョイスしたピーチの機内食は?
ピーチは国内LCCで一番充実したバラエティー豊かな機内食が魅力の一つです。
いがモバは今回以下の3つを注文してみました。(値段は税込)
メイン:沖縄風タコライス 900円
ドリンク:和歌山産 飲むみかん 300円
デザート:紀の川オリジナル桃シャーベット 400円
ドリンクのセット割引-50円
合計:1550円
こちらは「沖縄風タコライス」(900円)。注文してから温めるので約20分ほどかかります。
ご飯・ひき肉・レタス・チーズ・ドライトマトがピリ辛ソースとマッチして、機内にいながら沖縄のソウルフードが楽しめます。
お取り寄せでも人気!早和果樹園の「飲むみかん」が機内で飲める
ドリンクで注文したのは「飲むみかん」(300円)。有名な有田みかんの果汁を100%使ったストレート果汁です。
ただ甘いだけでなく、程よい酸味があるのが特徴の濃いみかんジュースです。
作っているのは和歌山県有田市にある早和果樹園(そうわかじゅえん)。早和果樹園のみかんジュースはお取り寄せでも有名ですが、これをピーチの機内で飲むことができます。
地元で大人気!「めっけもん広場」の桃シャーベット
そして今ピーチの機内食でイチオシなのが和歌山県産のフルーツをふんだんに使ったシャーベットです。(桃といちじくの2種類が販売中)
いがモバは桃のシャーベット(400円)を注文。和歌山県産の桃がたっぷり入ったシャーベットは想像以上にジューシーで食べごたえがあります。
このシャーベットは和歌山県北部のJA紀の里の直売所「めっけもん広場」で売られている物で、知る人ぞ知る隠れた人気スイーツです。
和歌山県に行かなくてもこのシャーベットが機内で手軽に味わえるのは嬉しいですよね。
JA紀の里 ファーマーズマーケット「めっけもん広場」のHPへ
いがモバ五十嵐からの提案:入国カードは一番最初に!
機内食をゆっくり味わった後、夜中のフライトなので少しの間ウトウトしていると飛行機は着陸体制に。
シートベルトサインが点灯します。
実は中国の入国に必要な入国カードはシートベルトサインが点灯する約10分前に配られました。
多くの乗客がカードの記入が終わらないまま机を収納しなくてはならず、この後空港で記入している人を多く見かけました。
殆どのエアラインが入国カードを機内サービスの最初に配るので空き時間に書くことができるのですが、このピーチの提供順だとカードを忘れることは少なくなりますが、乗客が記入するまでの空き時間が短くなってしまいます。
個人的には記入すべきものは先にやって機内でゆっくりしたい派なので、ぜひこの点はピーチに再考してもらいたい部分です。
定刻より早く着陸・地上との連携がうまくいかず降機できず
いがモバが乗ったピーチMM1079便の初便は定刻より早く現地時刻の午前4時26分に着陸しました。
早く着いてラッキーと思ったのも束の間、管制塔から駐機場への移動の許可が下りず、さらには地上の係員との連携がうまくいかず、結局機体のドアが開いて降機が始まったのが着陸から約45分後の現地時間の午前5時10分でした。
就航したてという事もありますが、現地ではやはり中国系エアラインの方がスムーズだと感じました。今後の改善に期待です。
MM1079便 初便のクルーの皆様お疲れ様でした!
飛行機を降機する際にはピーチの客室乗務員が笑顔でお見送り。
深夜のフライトにも関わらず笑顔が多く、素敵なサービスでした。MM1079便のクルーの皆様お疲れさまでした!
ピーチの羽田上海線 乗ってみて良かった・悪かった点
良い点
- 笑顔が多く明るい客室乗務員
- バラエティー豊かでご当地グルメが楽しめる機内食
- 京急・モノレールの終電で羽田に行けばチェックインが間に合う
- 上海には地下鉄の始発(午前6時)の少し前に到着するので到着日からフルに観光できる
- 片道6980円~の買いやすい価格・セール時には2980円~のチケットも
悪い点
- シートが他のLCCより狭い(初期型のシート)
- 機内サービス中の中国語アナウンスがテープ再生のみ(中国人には不便)
- 入国カードを配るのが着陸の直前すぎる
- 浦東空港との連携が悪く着陸後降機するまで時間がかかった
ピーチの羽田~上海便に実際に乗ってみると、最初に危惧していた深夜早朝の運航時間は日本人の乗客にとって時間が有効に使えるとプラスに感じました。羽田には終電でチェックインが間に合い、上海着陸後は地下鉄の始発の時間まで約1時間待つだけで利用できるので、両方ともに公共交通機関が利用できるのは大きなメリットです。
使用機材によっては今回のように足元が狭い座席になりますが、片道6980円~の価格を考えると納得できると思います。
元々評判の良いピーチの機内サービスで、国内線感覚で中国に行けるのはとても便利です。初めての中国旅行という方にも利用しやすいのではないでしょうか?
空港アクセス良し・価格良し・機内サービス良しのピーチの羽田~上海浦東線。観光・ビジネスの両面で使い勝手が良いので、人気路線になりそうです!
この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。