圧倒的な低価格が魅力の中国最大のLCC「春秋航空」。今、機内サービスの質の向上にも取り組んでいます。いがモバは日本のブログメディアで初めて上海にある春秋航空の訓練センターを取材。英語や中国語が飛び交う国際的な教室で日本人訓練生も奮闘中です!
半年ぶりに春秋航空の上海本社へ
9月9日、いがモバは約半年ぶりに中国・上海へ。虹橋空港のすぐ近くにあるLCC「春秋航空」の本社にやってきました。
この場所はいがモバが「LCCブロガー」として本格的に歩み始めた、とても縁のある場所です。
いがモバは今回、ある場所の取材を行うためにやってきました。
日本のブログメディア初!春秋航空の訓練センターを取材
取材の目的の場所はこちら。春秋航空の本社に隣接する客室乗務員の訓練センター「春秋教育・Spring Training Centre」です。
今回、春秋航空のご厚意により日本のブログメディアで初めて訓練センターの取材許可を頂くことができました。
圧倒的な低価格が魅力の春秋航空ですが、今、王正華董事長の指導のもと「サービスの質の向上」にも力を入れています。では、その要となる客室乗務員の訓練は一体どのように行われているのでしょうか?
きょうは超貴重な春秋航空の訓練センターの様子を紹介します!
無駄を徹底的に削減!エコにもつながる
訓練センターの中に入ると、廊下の無駄な電気が全て消されている事に気付きました。
春秋航空の本社でもそうでしたが、徹底したコスト削減の一環として節電に取り組んでいます。
経費削減になるだけでなく、エコにも繋がる素晴らしい取り組みだと思います。
春秋航空の客室乗務員の英語の授業に密着!
最初に訪れたのは客室乗務員の英語の授業。
教室の中では既に白熱した授業が始まっていました。
英語で中国語を教える・超インターナショナルな授業
授業では教官が流暢な英語で機内サービスについての説明を行っていました。
さらには機内で必要となる中国語を「英語」を使って分かりやすく解説。
元々春秋航空の客室乗務員はTOEIC600点以上のスコアを持っていることが応募の条件なので(4月の日本人募集時の条件)、基本的な英語ができることを前提で授業が進んでいきます。
教室の中が英語と中国語が同時に飛び交う超インターナショナルな空間になっていたのには驚きました。
路線拡大中!タイ人クルーの真剣な眼差し
今回の英語の授業は春秋航空の日本人訓練生のほか、タイ人のクルーも参加していました。真剣な表情で集中しています。
最近、中国人の東南アジア旅行の人気が高まっていて、春秋航空はその需要に一早く応える形で東南アジア路線を拡大しています。バンコク・チェンマイ・プーケットなどタイと中国を結ぶ路線も拡大中で、タイ人クルーの採用を積極的に進めています。
春秋航空がどんどんグローバルな企業に成長している事を実感します。
春秋航空の日本人客室訓練生にインタビュー!
インターナショナルな環境で日々の訓練を頑張っている日本人訓練生。その中の一人にお話を聞く時間を頂きました。
インタビューに答えて下さったのは志村 淳(シムラ ジュン)さんです。
いがモバ:春秋航空の客室乗務員を志したきっかけを教えてください。
志村さん:以前から中国に興味があり、自分の地元である関西空港を第2のハブとしている春秋航空に興味を持ち、日中友好に貢献したいと思い志望しました。常にインターナショナルな環境で仕事ができるところに魅力を感じています。
いがモバ:授業を通しても実感しましたが、本当にインターナショナルな環境ですよね。まさに今訓練の真っ最中ですが、何か苦労などはありますか?
志村さん:苦労は多少なりともあると思うのですが、それをあまり感じないのはここにいる仲間に恵まれているからだと思います。「みんなで飛ぶ」という強い志を仲間みんなで共有しています。
いがモバ:素晴らしいですね。今後春秋航空でどのような客室乗務員になりたいですか?
志村さん:日本人のホスピタリティ・おもてなしの心は、世界的に評価されていると上海に来て改めて感じています。そういった日本人に対する期待を裏切らないように、自分も高いパフォーマンスを発揮していきたいと思います。
いがモバ:春秋の機内でお会いするのが今から楽しみです。ありがとうございました。
志村さん:ありがとうございました。
訓練センター内にほぼ実物大のモックアップ
春秋航空の訓練センターの中には、実際の機内を再現した「モックアップ」があります。
このモックアップの中でも訓練が行われていました。
中で行われていたのは、非常用の設備のデモンストレーションの練習。
すでにかなり訓練が進んでいるようで、訓練生がスムーズに救命胴衣や酸素マスクを身につけて動作を確認していました。
モックアップの中では訓練生が機内アナウンス(PA・Public Address)の練習も行っていました。
カメラが目の前にあるので少し恥ずかしいのか、ぎこちない部分も微笑ましく思えます。
CAに大切な「身たしなみ」の授業も
別の教室ではスカーフを使った「身たしなみ」の授業が行われていました。
JALやANAなどの大手航空会社ではこのような授業が行われていますが、LCCである春秋航空でもこのような授業が行われていたのには驚きです。
春秋CAのスカーフの巻き方は実は2種類のみ!
「身たしなみ」の授業で教えていた、スカーフの巻き方。
実は、春秋航空の客室乗務員のスカーフは「お花スタイル」と「カウボーイスタイル」の2つの巻き方に限定しているんです。
日本では個人の裁量に任せている航空会社もありますが、春秋航空はしっかり乗務員のイメージを確立していることが良く分かりました。
次回春秋航空に乗った時は、女性客室乗務員のスカーフにも注目してみてくださいね。
春秋航空の客室部教官にインタビュー!
先ほどの身たしなみの授業を担当していたのは、春秋航空客室部教官の王晓磊(ワン・シャオレイ)さん。教官として訓練を担当するほか、今も春秋航空のフライトにCAとして乗務しています。
王教官に伺いたかったのは、最近の春秋航空の機内の「変化」についてです。
いがモバ:以前から春秋航空のフライトに乗っていますが、最近以前より客室乗務員の「笑顔」が多くなり明るい雰囲気になったと感じています。何か教育方針は変わったのでしょうか?
王教官:春秋航空は今、機内サービスの質の向上に力を入れています。その中でも特に「笑顔」が重要だと考えています。「笑顔」は言葉だけでできる簡単な事ではありません。フライト中に乗務員が笑顔で接客しているか、チーフパーサーがチェックするシステムもあります。
いがモバ:なるほど、そういった教育が背景にあって徐々に変わってきているんですね。では、これから春秋航空に乗ってみようと考えている日本の方にメッセージを頂けますか?
王教官:はい、春秋航空は他の中国系のエアラインよりサービスが良いという評価を頂いています。中国にいらっしゃる際は、LCCというだけで春秋航空を選択肢から外すのではなく、ぜひ一度乗って春秋航空のフライトを実感して頂きたいと思っています。きっと満足していただけるのではないでしょうか。皆様のご搭乗をお待ちしています。
いがモバ:今回の訓練の様子を通して、春秋航空が取り組んでいる事が一人でも多くの人に伝わることを願っています。ありがとうございました。
王教官:ありがとうございました。
困った時には仲間がいる!人間味溢れる春秋の訓練センター
今回、日本のブログメディア初となる春秋航空の訓練センターの取材を通して、一番印象的だったのが人間味あふれる訓練生と教官の姿です。
訓練生には数々の厳しい訓練が待っていますが、国や言葉・人種を越えて訓練生と教官が助け合い、高め合って前に進んでいこうとする姿にいがモバは感動しました。
特に語学の面では、英語を使って中国語を教えるという、超インターナショナルな授業が既に行われていて、この訓練を終えた客室乗務員はまさに世界の空で活躍できる人材になると思います。
今回紹介した日本人やタイ人の訓練生は訓練に合格後、順次春秋航空のフライトに乗務していきます。人材面でも今後ますますパワーアップしていく春秋航空から目が離せませんね!
この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。