バニラエアが新たなブランディング方針の発表会を開催しました。「Creating New Sky Experience.」と掲げられたスローガンには、「お客様視点でサービス品質を高める」との決意が込められ、既存のLCCの概念を超えた新たなLCCモデルを創ることを目指しています。
新しいスローガンは「Creating New Sky Experience.」
2017年5月24日、成田空港でバニラエアが新しいブランディング方針についての記者発表会を行いました。
発表された新たなスローガンは「空の旅に、新しい体験を。Creating New Sky Experience.」。
これについて新ブランディング策定の取りまとめを行ったバニラエアの山室美緒子副社長は、「乗客との様々な接点においてお客様視点でサービス品質を高めていくという決意を込めたもの」と説明しています。
塗装済みの1号機を報道陣に公開・残りの機体も順次塗装へ
発表会では新スローガンを塗装した機体が報道陣に公開されました。機体の両サイド、エアライン名の後ろに「Creating New Sky Experience.」が描かれています。
公開されたのは1号機(JA01VA)で、今後他の機体は約2年かけて定期整備のタイミングで追加塗装される予定です。
バニラエアが今年後半に受領予定の14号機・15号機については、最初から新スローガンが塗装された状態で納品されます。
「これまでのLCCカテゴリーを一歩抜け出す」
機体撮影会の前に行われた説明会では、LCCの市場の拡大が予想される日本で、今後バニラエアが目指していく「立ち位置」も示されました。
食事・システム・アライアンスなどといった「ハード面」、サービス・安全性・イレギュラー対応などの「ソフト面」の両方の品質を高めることによって、これまでのLCCカテゴリーから一歩抜け出すことを目指しています。
山室副社長「低価格は守る・コストをかけずに改善を」
バニラエアが示した高付加価値化の方針によって、心配されるのが運賃コストへの転嫁。LCC STYLEの質問に対して山室副社長は次のように答えています。
LCC STYLE 五十嵐:『従来のLCCカテゴリーから一歩抜け出す』ということで、これまでの低価格は維持されるのでしょうか?
山室副社長:あくまでも低運賃というところは守らなくてはいけないと思っています。コストをかけなくても改善できるところが意外と沢山あるのだということを、私たち社員も今回の策定期間に点検する中で感じたので、そういう部分をやっていく事になると思います。
山室副社長:ソフト面に関してはやはり人というとところが大きいと思っています。バニラエアのフライトアテンダント、チェックインエージェント、企画部門の社員を含めて、皆がこれ(新スローガン)を実現していこうという気持ちが無いとやっていけないし、逆にそれがあればサービスはフルサービスキャリア並に改善していけるのではないか、そこに期待をしていただきたいと思います。
日本の新しいLCC像を創ることができるか
今回の発表ではヘビーユーザー層に向けたポイントプログラムを検討していることなど、従来の日本のLCCに無い新たな取り組みの計画も発表されました。
4月にANAHDの子会社となったLCCピーチ・アビエーションとの住み分けをどうするかが課題となる中で、今回の発表はバニラエアが進む道を示した大きなターニングポイントの一つとなるでしょう。
「LCC」の言葉のイメージに縛られない、日本の新しいLCC像を創ることができるか、バニラエアの今後の取り組みに注目です。
執筆:五十嵐 貴文
関連URL:バニラエア公式HP