LCC各社が激しく争う東南アジア。クアラルンプールが拠点のLCC「マリンドエア」は預け荷物や機内食が無料。全席液晶モニター装備など、レガシー顔負けのサービスが魅力です。日本路線の計画もある今注目の「プレミアムLCC」の搭乗記を紹介します!
東南アジアの注目LCC「マリンドエア」を知っていますか?
数多くの格安航空会社・LCCが就航し、激しい競争を繰り広げている東南アジアの航空市場。
群雄割拠のLCCの中で、ひと際個性的な注目のLCCがあります。その名前は「マリンドエア(Malindo Air)」。日本路線がまだ無いため、まだ知らないというも多いかもしれません。
2013年3月に運航を開始した「マリンドエア」は、東南アジア有数の航空グループ「ライオンエアグループ」の一員で、マレーシアのクアラルンプールを拠点にアジア各国を結ぶ路線を運航しています。
ライオンエアグループの航空会社
- Lion Air(ライオンエア)
インドネシア発着路線担当 - Wings Air(ウィングスエア)
近距離・地方都市間など担当 - Batik Air(バティックエア)
フルサービスキャリア - Thai Lion(タイライオン)
タイ発着路線担当 - Malindo Air(マリンドエア)
マレーシア発着の路線担当
預け荷物・機内食も無料!レガシー並みのLCC「マリンドエア」
「マリンドエア」の最大の特徴が、LCCなのにレガシー並みのサービスが無料で受けられることです。
具体例を挙げると、クアラルンプール発バンコク・ドンムアン行きの航空券が諸税込で片道約4500円で購入できるのですが、ここに計2個合計30キロまでの預け荷物が無料で含まれているんです。
グループ会社のライオンエアは15キロまで無料で、それでもお得なのですが、「マリンドエア」はさらに倍の重さまで無料で預けることができます。(レガシーは23キロ×2個が多い)
さらに嬉しい事に「マリンドエア」はフライト中に軽食の機内食が無料で提供されます。ここまでくると何がレガシーで何がLCCなのか分からなくなりますよね。
消費者としては、サービスはレガシー並み・価格はLCCと同じという「新しい選択肢」が登場したことになります。
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クアラルンプール~バンコク・ドンムアンの他社の料金
(同じ9月3日発・スカイスキャナー調べ)
・エアアジア 201リンギット(約5100円)
預け荷物無し
・タイ航空 347リンギット(約8800円)
預け荷物・機内食無料
・マレーシア航空 403リンギット(約10200円)
預け荷物・機内食無料[/aside]
注目のLCC 「マリンドエア」にいがモバも乗ってみた
新たなLCCのスタイルとして注目されている「マリンドエア」。LCCブロガーとして活動しているいがモバとしては、乗らずにはいられません。
7月のスクートの取材の後、いがモバはバンコク・ドンムアン空港からクアラルンプール行きのマリンドエアのフライトに実際に搭乗してみる事にしました。
マリンドエアのドンムアン空港のチェックインカウンターは第1ターミナルにあります。
太っ腹!エコノミーでも荷物は2個30キロまで無料
マリンドエアの最大の魅力でもある無料の預け荷物。
バンコク~クアラルンプール間はエコノミークラスの航空券でも2個合計30キロまで無料で預けることができます。(※路線・機材によっては15キロの区間も)
いがモバはLCC旅に慣れ過ぎてしまい、スーツケースの重さはわずか6.1キロ。余裕ありまくりでした(笑)。
ちなみにマリンドエアの機内持ち込み手荷物は1個7キロまでです。(厳密なチェックは無し)
チェックインを担当してくれたマリンドエアの地上スタッフは笑顔が素敵な女性でした。
搭乗前からすっかり好印象。行ってきま~す!
ドンムアン発クアラルンプール行きOD523便の搭乗開始
現地時間午後5時40分すぎ。 出発時刻の30分前からマリンドエアOD523便・クアラルンプール行きの搭乗が始まりました。
搭乗時はパスポートと航空券の照会があるので、荷物の中にしまわない様にしてくださいね。
この日はマリンドエアの主力機材 B737-800型機だった
この日のクアラルンプール行きのマリンドエアはボーイング737-800型機を使用していました。
マリンドエアはこのB737-800型機をメインに、B737-900ERや小型機のATR72-600などの機材も使用しています。
現在エアバス社のA330-300型機も発注中で、今後はワイドボディの機材も増えていく見込みです。
LCCで珍しい2クラス制!マリンドエアのビジネスクラス
マリンドエアの機内に入ると、まず目につくのが大きなベージュの座席。
マリンドエアはLCCでは珍しい2クラス制で、前3列・計12席のビジネスクラスの用意があります。
ビジネスクラスの座席は足元の空間が公称45インチ(115センチ)と広々で、専用チェックイン・特別な機内食・預け荷物の重量緩和・機内インターネット搭載機材での無料WiFiなどのサービスが受けられます。
衝撃の座席!エコノミーも全席液晶モニター付き
すらりと並んだ液晶モニター。エコノミーのフロアにはさらに衝撃的な光景が待っていました。
マリンドエアは機内エンタテイメントが楽しめる液晶モニターがエコノミーのシートにも全席に搭載されているんです。凄すぎる!!
先日乗ったKLMオランダ航空のエコノミーシートにもモニターが装備されていましたが、レガシーに匹敵するほどの贅沢なシートです。
マリンドエアの広々レザーシート
横から撮影すると明らかに広々としたマリンドエアのエコノミーのレザーシート。
マリンドエアのエコノミーシートの公称シートピッチはレガシー並みの32インチ(約81センチ)で、日本のLCC「ジェットスタージャパン」の平均29インチ(約74cm)と比べると7センチも広くなっています。
マリンドエアの座席数
B737-800
ビジネス12席・エコノミー150席
B737-900ER
ビジネス12席・エコノミー168席
※参考 ジェットスタージャパン
エアバスA320型機
エコノミー 180席
握りこぶしが2個入る!マリンドエアは足元広々
実際に座ってみると、身長175センチのいがモバの場合は握りこぶしが2つも入るスペースがありました。
LCCでは通常握りこぶし1個入ればいい方なので、驚くべき広さです。
足を伸ばしても余裕がある快適空間に大満足です。
液晶モニターにUSBポート!スマホの充電もOK
前方座席の背中に搭載された機内エンターテイメント用の液晶モニターにはUSBポートが備わっています。
そのため、USBケーブルを持っていればスマホの充電もOKです。これは嬉しい仕様ですよね。
機内設備はビデオで紹介!CAの時間短縮にも繋がる
出発の準備が整った後、マリンドエアでは機内の設備の案内をビデオで行います。
殆どのLCCが経費削減で客室乗務員がデモンストレーションを行っていますが、マリンドエアではオリジナルで制作されたビデオが流れていました。ここもレガシー並みですね。
客室乗務員はその間にギャレーで他の作業を行っていたので、サービス時間が限られたアジア路線だからこそ機内の案内ビデオは有益かもしれないと思いました。
クアラルンプールへ向け出発!
午後6時20分すぎ、マリンドエアOD523便クアラルンプール行きの飛行機が離陸しました。
定刻から10分遅れなので、ほぼ時間通りです。
飛行機はバンコク市内の上空を横目に南下していきます。
離陸から約10分で機体は安定飛行に。シートベルトサインが消灯します。
LCCなのにイヤホンも無料!しかもプレゼント
マリンドエアの客室乗務員は最初に機内エンターテイメント用のイヤホンを配布します。
レンタルかと思いきや、最後回収がなかったのでこのイヤホンも無料サービスということになります。凄すぎ!
時間が足りない!?マリンドエアの機内エンターテイメント
マリンドエアの機内の目玉ともいえる機内エンターテイメント。
タッチパネルで操作していくのですが、そのコンテンツも充実しています。
アメリカのコメディー番組や・・・
マレーシアで人気の欧州のサッカーの試合も見られます。
しかも一時停止や早送りなども可能です。これはすごい!
さらに「オセロ風ゲーム」などちょっとしたゲームでも遊べるんです。楽しい~。
いがモバは個人的に地図を見るのが好きなのですが、マリンドエアの機内エンターテイメントにはリアルタイムのルートマップを表示する機能もついていました。
コンテンツが盛りだくさん過ぎて正直時間が足りないくらいの機内エンターテイメント。
実は注目すべき良い点があって、機内にはマレーシアに向かうインド人が多く乗っていたのですが、殆どの人が立ち上がらずに目の前の画面に夢中になっていたんです。
これは液晶モニターの無い他のLCCでは見られなかった穏やかな光景で、機内モニターのメリットを感じました。
お待ちかねの機内食タイムがスタート
離陸から約30分後。お待ちかねの機内食の時間がスタートです。
無料サービスで軽食とドリンクが配られます。
マリンドエアは機内食が無料!軽食だけどやっぱり嬉しい
クアラルンプール行きのマリンドエアの便で配られたのは、ロゴ入りのミネラルウォーター、マフィン、クラッカー、ソフトドリンク(好きな物を1杯)です。
一見質素ですが、一つ一つ食べていくと意外とお腹が膨れました。
機内食はいらないという人もいるかもしれませんが、無料で貰えるのならばやっぱり嬉しいですよね(笑)。
物足りない人は有料の機内販売もある
マフィンやクラッカーでは物足りない、という人はキットカットやカップ麺を有料で追加注文する事ができます。
マリンドエアでは軽食を無料で提供する分、機内販売のメニューをかなり絞っているのが印象的でした。
きちんとしたホットミールはHPで予約可能です。
激レア?マリンドエアグッズも販売中!
さらにマリンドエアのロゴ入りグッズも販売していました。
マグカップ(15リンギット・380円)がちょっと可愛くていいなあと個人的に思いました。
宇宙船な雰囲気の中・お休みタイムに
機内食の配布が終わり、ごみの回収が終わると機内の照明が落とされます。
天井のLEDが青く光り、宇宙船のような雰囲気の中でお休みタイムに突入です。
機内エンタメに夢中であっと言う間にマレーシアへ
お休みタイムと言っても、バンコクからクアラルンプールのフライトタイムは約2時間しかありません。
窓の外を見ると、飛行機はすでにクアラルンプール近郊まで来ていました。
定刻通りにクアラルンプール国際空港(KLIA)に着陸!
そして現地時間午後9時20分すぎ。
マリンドエアOD523便は無事にクアラルンプール国際空港に着陸しました。
定刻通りの着陸に一安心です。
マリンドエアはエアアジアが利用するKLIA2ではなく、他のレガシーなどが利用するKLIAのターミナルを利用します。
到着エリアにはプリペイドSIM屋さんが並んでいる場所があるので、パパッと購入しておくと便利です。おすすめの会社などはこちらの記事を併せてご覧ください。
CAさんは大変だけど・・プレミアムLCC「マリンドエア」は日本人にピッタリ!
降機する際に写真をお願いすると、笑顔で応じてくれたマリンドエアの客室乗務員。
短いフライトタイムの中で機内食を配る必要があるなど、マリンドエアは他のLCC以上に仕事が大変だと思うのですが、テキパキと仕事をしていました。お疲れ様でした!
LCCに抱かれがちな「安かろう・悪かろう」のイメージを良い意味で覆す「プレミアムなLCC」だったマリンドエア。
荷物や機内食が無料、座席も広くて機内エンターテイメントもある。ほぼレガシーと変わらないサービスをLCCのお得な価格で受けられるマリンドエアのような航空会社は、日本人にこそピッタリなのではないかと感じました。
初めて乗ったマリンドエアでしたが、大満足のフライトでした!
マリンドエアの路線が拡大中!台湾~沖縄線の計画も
現在マリンドエアは路線網を拡大中です。ベトナムのハノイやタイのチェンマイのほか、この9月からはクアラルンプール~台北桃園線にも新規就航します。
マリンドエア クアラルンプール~台北
(9月10日~・毎日)
OD632便
クアラルンプール 午前7時発
台北桃園 午前11時35分着
OD633便
台北桃園 午後0時40分発
クアラルンプール午後5時25分着
さらに旅行メディア「トライシー」によりますと、マリンドエアは10月30日からの冬ダイヤでマレーシアのコタキナバル~台北~沖縄に就航する計画もあるそうです。
実現すればマリンドエア初の日本路線となります。
「プレミアムLCC」を日本の方が体験する日は近いかもしれませんね。今から楽しみです!
この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。