LCC初の道東定期便の誕生です!LCCピーチ・アビーションが2018年8月1日より関西~釧路線を開設することを発表しました。さらに新千歳空港の拠点化に伴い今後、北海道内を結ぶ路線の開設も検討すると発表しました。記者会見の様子を詳しくお伝えします。
LCCピーチ・アビエーションが北海道庁で会見
2017年12月13日(水)、北海道庁の赤レンガ庁舎(北海道庁旧本庁舎)でLCCピーチ・アビエーション(以下ピーチ)の記者会見が開かれました。
会見にはピーチの井上慎一CEO、北海道の高橋はるみ知事のほか、釧路市長の蝦名大也(えびな・ひろや)さんなど「ひがし北海道」エリアの自治体のトップが駆け付けました。
2018年8月1日にピーチが関西~釧路線を開設 道東初のLCC定期便に
井上CEO:本日は北海道の皆さまに嬉しいサプライズをお届けするためにこの場を設けさせていただきました。来年は北海道誕生150周年の年と伺っております。ピーチはこのタイミングをとらえまして、2018年に「ひがし北海道」と関西空港を結ぶ路線を開設することを決定いたしました。これは節目となる年に北海道に新たな観光のブランドが誕生することを意味いたします。
井上CEO:高橋知事、「ひがし北海道」の各自治体の皆さまとピーチが一体となりまして、「ひがし北海道」をアジアに誇る新たな北海道の観光ブランドにすべく、その第一歩として2018年8月1日に釧路空港から関西空港に路線を就航させていただきます。運賃は片道5,290円~を予定しております。ピーチとしては初の「ひがし北海道」路線になるとと共に、同地域において初のLCCの(定期便)就航となります。
ピーチの井上慎一CEOは会見でこのように述べ、2018年8月1日より関西~釧路線に新規就航することを正式に発表しました。
ピーチ関西~釧路線 運航スケジュール・運賃の詳細
ピーチの関西~釧路線の運航は1日1往復で、詳しい運航スケジュールは以下のとおりです。
(2018年8月1日~2018年10月27日)
関西→釧路 MM125便
関西09:50発 釧路11:50着
釧路→関西 MM126便
釧路12:30発 関西15:00着
運賃(予定)
片道5,290円~31,590円(シンプルピーチ・諸税別途)
最安時の運賃は片道5,000円台で、これまでの釧路~伊丹線(ANA・季節運航)の割引運賃の約3分の1、羽田行きの割引運賃の半額以下、高速バスで釧路から札幌に行くのと同じ水準で、かなりのインパクトを与えそうです。
井上CEO「ひがし北海道を観光ブランドに」
ピーチの井上CEOは「ひがし北海道」エリアの可能性に着目し、LCC直行便の就航でさらなる観光ブランドに育てていきたいと意欲を示しています。
井上CEO:「ひがし北海道」はアジア、世界に誇る観光ブランドになるポテンシャルを十二分に保有している地域であります。世界自然遺産に指定された知床半島、根室半島、オホーツク海の流氷、阿寒湖とアイヌ文化、十勝平野の雄大な自然など、野生動物、海・山の幸、コンテンツの豊富さは枚挙にいとまがありません。
井上CEO:そして、「ひがし北海道」は広域観光周遊ルートとして整備されており、点ではなく面としての取り組みになる地域になります。ピーチは第一歩として釧路空港への路線を開設しますが、長期的な視野でグループのANAと一体となって、「ひがし北海道」、そして北海道全体を盛り上げていきたいと考えております。
井上CEO:「ひがし北海道」をアジアに誇る観光ブランドに育てるためには地上交通機関との連携が必要不可欠です。当社は既にJR北海道と連携しまして、「Peachひがし北海道フリーパス」を発売しております。釧路空港就航後におきましても「ひがし北海道」のアクセスに関してJR北海道との連携で相乗効果をもたらすことができればと願っております。
井上CEO:将来的には釧路のみならず、「ひがし北海道」から第2・第3の路線を開設できるように、点ではなく面との活動として各自治体、JR・バスなど接続交通の各事業者様と一緒に取り組み、「ひがし北海道」を確固たる観光ブランドとして磨き上げることをお受けさせていただきたいと思っております。
井上CEO:ピーチは「空飛ぶ電車」をコンセプトにした全く新しい概念の航空会社です。「空飛ぶ電車」ピーチが「ひがし北海道」と関西空港を結ぶことによりまして、北海道150年目の年に新たなムーブメントが起こると確信しております。ピーチの主要ユーザーである20~30代の女性を中心に、これまで以上に多くの方々が「ひがし北海道」に訪れるようになると思っております。
井上CEO:また、「ひがし北海道」の皆さまにおきましても、関西へ気軽にお出かけ頂けるようになります。人気テーマーパークのUSJ(ユニバーサルスタジオジャパン)へも簡単に行けます。ダイヤも釧路発が12:30、釧路着が11:50ということで、「ひがし北海道」の皆さまがご利用しやすいような時間にいたしました。
井上CEO:また、関西のお客様のみならず、関空経由で来られるインバウンドのお客様も「ひがし北海道」にぜひご案内したいと思っております。これを日本政府が掲げる2020年の年間訪日外国人の4000万人達成に向けて、「ひがし北海道」への就航は切り札と考えておりまして、地方創生への大きな追い風になると考えております。
井上CEO:さらに、来年2018年度には新千歳空港の拠点化を行います。「ひがし北海道」路線の開設とあわせ、道内を結ぶ路線の開設も検討しております。その際にはこれまでの航空会社が実現できなかった利用しやすい運賃をご提供することで、道内の移動にも貢献させていただければと思っております。
井上CEO:ピーチはチーム(北海道)の皆さま、ANAと一体となって、「ひがし北海道」をアジア有数の観光ブランドに押し上げていくと共に、アジアの中でも北海道の存在をさらに際立ったものにしたい、そして地方創生に微力ながら貢献できればと考えております。
井上CEO:来年からのピーチの釧路就航、(釧路を)はじめとする「ひがし北海道」での展開、新千歳空港の拠点化、道内路線の開設をどうぞご期待いただきたいと思います。
高橋知事「ピーチの就航を弾みに ひがし北海道を世界に売り込みたい」
会見では北海道の高橋はるみ知事も、LCCピーチの就航を弾みに「ひがし北海道」を世界に売り込みたいという意欲を示しています。
高橋知事:私たち北海道は今、アジアを中心に売り出し中であります。そして国内の多くの地域の方々からも、北海道観光、いわば憧れというか、「色々な景色があるね」「食も美味しいね」ということでお客様がどんどん増えているということを大変ありがたく思っているところでございます。
高橋知事:そういう中で、とりわけ「ひがし北海道」は交通の便を良くすれば、もっともっと日本人すべてに、そして世界にアピールしたい観光資源、食の美味しさがたくさんある地域でございます。私ども道庁もしっかり連携をさせていただきながら、この度のピーチ様のご決定をひとつの大きな弾みとして、さらに「ひがし北海道」を世界に売り込んでいきたいと、このように思っているところでございます。
高橋知事:私どもは関西における皆さま方の関係者の連携、成功例を大いに参考にさせていただいて、「ひがし北海道」の行政、航空会社、地元の2次交通の関係の方々を含めて、みんなで「THE北海道モデル」ということで、しっかりとスクラムを組んで「ひがし北海道」の更なるアピールに繋げていきたいと思っております。
蝦名 釧路市長「ピーチの釧路就航は大きな推進力を頂いた」
ピーチが就航する釧路市の蝦名市長は「ひがし北海道」エリアの現状と取り組み、ピーチの就航への期待を述べています。
釧路市長 蝦名さん :「ひがし北海道」戦略の第一歩として、その拠点に「たんちょう釧路空港」を選定いただいたということに、率直に感謝申し上げる次第でございます。「ひがし北海道」のポテンシャル、ここをピーチの経営戦略にリンクをしていただいたことに心から感謝御礼申し上げます。
釧路市長 蝦名さん :北海道全体の中のインバウンドの数字を見ていきましても、「ひがし北海道」の数字は二桁行かず、という状況であります。宿泊者の数を見ても同様であります。「ひがし北海道」の5空港の稼働率を新千歳空港と比較しましても、その差は非常に大きいという状況があるわけであります。
釧路市長 蝦名さん :その中で私ども「ひがし北海道」、観光ということでしっかり盛り上げていこう、様々なことに取り組みながら、今釧路市の場合、(観光庁の)「観光立国ショーケース」に選定されております。そして観光圏ということで「水のカムイ」ということで、釧路市と弟子屈町が連携しながら取り組んでいます。そして、広域周遊ルート、「ひがし北海道」全体の中での広域的に取り組みを行っており、あわせて国立公園満喫プロジェクト、こちらには先だって名称変更になりました「阿寒摩周国立公園」の整備、こういった中での観光を大いに盛り上げていこうという期待と、また責任を持ちながら、国・北海道の高橋知事のお力を頂きながら今進めているところでございます。
釧路市長 蝦名さん :この中で、まさに日本の国内のインバウンドの受け入れ拠点である関西国際空港と、たんちょう釧路空港が路線を確保できたということは非常に大きな推進力を頂いたものと受け止めているところであります。この路線を「ひがし北海道」全体に波及させるために、2次交通の整備であるとか、この路線を定着させることに向けて、今日からまたしっかり取り組んで行きたい、という思いでございますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。
また、会見では北見市長の辻直孝(つじ・なおたか)さん、大空町長の山下英二(やました・えいじ)さん、中標津町長の西村穣(にしむら・ゆたか)さんら「ひがし北海道」エリアの自治体のトップからも期待の言葉が寄せられました。
道東初のLCC定期便で地方創生へ繋げられるか手腕に期待
ピーチの井上CEOが会見で明かした道内路線の検討について、記者から具体的な時期はいつなのか、との質問が寄せられましたが、井上CEOは「まずはひがし北海道に飛び、どのくらい潜在需要のお客様が顕在化するかを見極めながら就航の時期を見極めたい」と述べるにとどまりました。あくまで関西~釧路線の就航後の実績を見てからの経営判断となる見込みです。
関西と釧路を結ぶ路線は夏季限定でフルサービスキャリアのANAが伊丹線を運航していますが、それ以外の時期は関西への直行便はありませんでした。LCCピーチの就航で、心理的・金銭的な壁が一気になくなることになります。
関西空港と繋がるということは、インバウンドだけでなく、釧路と日本各地・アジア、そして世界が繋がることも意味しています。LCCで広がる人の交流を、どう地域の活性化に繋げていくか、「ひがし北海道」をこれからどうブランドとして磨いていくのか、ピーチ、そして関係する自治体の手腕が問われています。
(五十嵐 貴文)
関連URL:ピーチ・アビエーション公式HP
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