海外用プリペイドSIMを販売する株式会社アイツーが2017年1月17日に新発売した「海外ローミング放題SIM」。月あたり税抜約333円でLINEやMessengerなどのテキストが使い放題。規制のある中国でも送受信できる神SIMでした!
世界76か国でチャットし放題!「海外ローミング放題SIM」登場
「トラベルSIM」など海外向けのプリペイドSIMを販売する株式会社アイツー。海外旅行によく行かれる方にはおなじみの会社ですが、このアイツーが2017年1月17日に新しいプリペイドSIMを発売しました。
新商品の「海外ローミング放題SIM」は、世界の76の国と地域でLINEやFacebook Messengerなどのテキストが送受信し放題という、面白いコンセプトのプリペイドSIMです。
海外ローミング放題SIMの利用可能国(2017年1月30日現在・日本人の渡航者が多いと思われる国を太字)
アイスランド/ アイルランド/アゼルバイジャン/アメリカ合衆国(ハワイ含む)/アメリカ領バージン諸島/アラブ首長国連邦 /アルバニア/アルメニア/ アンドラ /イギリス/イスラエル/イタリア/インド/インドネシア/ウクライナ/ウズベキスタン/エジプト/エストニア/エルサルバドル/オーストラリア/オーストリア/オランダ/ガーナ/カザフスタン/カナダ/韓国/キプロス/ギリシャ/クロアチア/ケニヤ/コロンビア/サウジアラビア/サンマリノ/ジブラルタル/ ジョージア(グルジア)/ スイス/スウェーデン/スペイン/スリランカ/スロバキア/スロベニア/セルビア/タイ/台湾/タジキスタン/チェコ/ 中国/ デンマーク/ドイツ/トルコ/ニカラグア/日本/ニュージーランド/ノルウェー/ バチカン国/ ハンガリー/ フィリピン /フィンランド/ プエルトリコ /フェロー諸島 /フランス /ブルガリア/ ベラルーシ/チリ/ ベルギー /ポーランド /ポルトガル/ 香港 /ホンジュラス /マルタ/ 南アフリカ /メキシコ /モナコ/ モンテネグロ /ラトビア /リトアニア/ リヒテンシュタイン /ルーマニア /ルクセンブルグ/ ロシア
世界で使い放題になる対象アプリは?
「海外ローミングSIM」で使い放題になるアプリは以下の5つです。
- LINE
- Facebook Messenger
- Viber
- WhatsApp Messenger
これら5つのアプリのテキストデータが使い放題で、スタンプは事前にインストールしてあるものに関してはスムーズに送受信が可能です。
データは2G/GSMの電波で送受信するので(日本と韓国はGSMがないので3G接続)、写真に関してはものすごく時間をかければ可能な場合もあります。アプリの音声通話はその通信速度の関係上、残念ながらほぼ不可能です。
同じチャットし放題の「ChatSim」
海外向けのプリペイドSIMに詳しい方なら、ここであるSIMを思い出すと思います。そう、イタリアの「ChatSim」です。このSIMも同じアイツーが販売代理を行っています。
「ChatSim」は年3000円程度で各種メッセージアプリのテキストデータが世界中で可能ですが、通信が不安定だったりと実際の利用者の口コミがあまりよくなく、いがモバも買うのをためらっていました。
「海外ローミング放題SIM」は「ChatSim」とどう違うのか聞いてみた
そこで、今回新しく発売された「海外ローミング放題SIM」が「ChatSim」とはどう違うのかアイツーのカスタマーサポートにメールで質問してみました。
すると、「ChatSim」はあくまでイタリアの通信会社の販売代理なので、ユーザーのサポートはすべてイタリアの会社の英語サイトで行われているとのこと。
一方の「海外ローミング放題SIM」はアイツーが販売している「トラベルSIM」の商品の一環として、日本のサイトでカスタマーサポートやチャージなどが行えるという事が大きな違いだそうです。これは嬉しいですよね。
「海外ローミング放題」は2種類
「海外ローミング放題SIM」は、テキストデータのみの「チャット」と音声通話機能が付いた「チャット&トーク」の2種類があります。
どちらも緊急時の発信(エマージェンシーコール)とSMSの送受信が可能ですが、SMSの送信や音声通話には別途料金が必要です。(料金はこちら)
SIMのパッケージの価格は「チャット」版が税抜4000円、「チャット&トーク」版が税抜4500円です。
「海外ローミング放題SIM」を購入!
いがモバはLCCに乗って海外によく行くので、「海外ローミング放題SIM」はまさにうってつけの商品。発売直後に「チャット」版を注文し、2日後に到着しました。
白い台紙のSIMでパッケージはシンプルです。
付与される番号はエストニアのもの
SIMの台紙には電話番号が書かれています。
割り当てられている372~の番号はエストニアのもので、この番号でのSMSの送受信や、「チャット&トーク」版では音声通話も可能です。
ただ、もちろんSMSや電話をかけるほうはエストニアまでの国際電話代金がかかるので、あまり現実的には利用しないと思います。あくまで無料対象のアプリで活用したいSIMですね。
デュアルSIM機はSIM1に入れる
最近はSIMカードが2枚入る「デュアルSIM」のスマホも増えて来ていますよね。
「海外ローミング放題SIM」の公式HPではSIM1のスロットに入れて使うことを推奨しているので、それに従います。
SIMカードは標準・Micro・nanoの3つのサイズに切り取れるようになっているので、お使いのスマホのスロットの大きさに合わせて使いましょう。
「海外ローミング放題SIM」の開通手続き
「海外ローミング放題SIM」はSIMカードを入れただけでは利用できません。利用する前に開通手続き(アクティベーション)が必要です。この作業は日本でも行えるので、渡航前にやっておきましょう。
手続き自体は簡単なので、以下実際のスマホの画面で紹介していきます。
「海外ローミング放題SIM」をスマホに入れると、日本で提携しているドコモ網の3G (2100MHz)に接続されアンテナが立ちますが、データ接続はまだできません。
データ接続をするためにAPN(アクセスポイントネーム)を新しく追加する必要があります。
「海外ローミング放題」のAPN設定は?
「海外ローミング放題SIM」の接続用の設定は、スマホのAPN設定のところに「MSG」と入力するだけでOKです。大文字なので気を付けてください。
入力が終わったらAPNを保存して、できあがったAPNを選択すればOKです。
開通手続き用の番号は?
次に会社側に開通手続き用のコードを送信します。
スマホの電話アプリで【*146*941#】を入力し、デュアルSIM機の場合はSIMを入れたほうで発信します。
すると開通手続き用のコードが会社に送信されます。
開通作業が完了すると、このような英語のメッセージが表示されます。開通した日から1年間有効という事が書かれています。
これで開通作業は完了です。
同じ英語の文章が書かれたSMSも送られてきますが、同じ意味合いなのでとくに作業は必要ありません。
データローミングをONにすることを忘れずに!
そして、最後に「海外ローミング放題SIM」を入れたスロットの「データローミング」をONにします。
これはあくまでこのSIMカードがエストニアのものだからで、日本やその他の国で使う際にはデータローミングをONにしないとデータのやり取りができません。
日本でもLINEのメッセージ送受信が可能!
開通作業が終わり、APN設定が正しく入力、データローミングがONになっていればデータ接続できるようになり、LINEのメッセージもやり取りできるようになりました。
日本と韓国ではGSMの通信方式がないので3G接続になります。
マイクロソフト社が提供するAIによるLINE公式アカウント「りんな」へのメッセージ送信もリアルタイムにすぐ送受信できました。ただ、スタンプは事前にお互いがインストールしていないものは見られませんでした。
試しに使い放題の対象外のTwitterの投稿をしてみましたが、やはり通信が通らず投稿できませんでした。データ接続に関しては前述の5つのアプリだけのようです。
はたして中国でLINEが使えるか?実証レポート
2017年1月28日、いがモバはLCC春秋航空日本の新路線・成田~天津線の取材で中国へ。
ご存知の通り、中国では現地の通信回線ではLINEやグーグル系のサービスに規制がかかりうまく利用できないことがあります。日本の通信会社のローミングであれば問題なく接続できるのですが、1日当たり1980~2980円と結構高額です。
「海外ローミング放題SIM」は対象国に中国も含まれているので、これでLINEなどが利用できれば日本人にとってかなり利用価値の高いSIMカードとなりますよね。そこでさっそく実験してみました。
中国ではチャイナモバイルにローミング接続
中国天津に到着後、「海外ローミング放題SIM」を入れたスマホ(Zenfone3)の電源を入れると、チャイナモバイル(中国移動)に接続されました。
「2G/GSM」に切り替えることを忘れずに!
「海外ローミング放題SIM」は2G/GSMの電波を利用するので、設定画面で優先ネットワークを「2G」に切り替えます。
するとEマーク(EDGE/GSMのパケット通信)が表示され、ちゃんとデータ接続されていることが分かります。
「海外ローミング放題SIM」で中国でもLINEの送受信が可能!
そして肝心の中国でのLINEの送受信ですが、このようにバッチリ可能でした!やったー!
GSM(EDGE)なので送受信に少しだけ時間がかかりますが、ほぼリアルタイムでメッセージの送受信が可能です。
音声通話時などに必要な残高照会の方法
ちなみに「海外ローミング放題SIM」は音声通話やSMSの送信時にチャージした金額から料金が引かれていくシステムです。
残高照会をする場合には【*146*099#】と入力し、SIMを入れた方のスロットで発信します。
「残高0」でもテキスト送受信は可能・ご安心を
すると、いがモバはチャージしていないので「Balance(残高)」が0という表示が出ました。
この0の状態でも前述の5つのアプリの送受信が可能だったので、安心してください。(チャージはアイツーのページにて※円建て決済・非課税)
中国によく行く人には神SIMの「海外ローミング放題SIM」!
これまで、中国でLINEなどを送りたい場合は割高な国内会社のローミング、香港などのローミングSIM、VPNなどを利用しないとLINEにうまく接続できない時がありました。
ところが、この「海外ローミング放題SIM」を利用すれば年間4000円(税抜)~、ひと月あたり約333円でLINEやFacebookMessengerなどが中国でも利用できます。日本に帰国後もそのままLINEなどのやり取りに使えるのも嬉しいですよね。
新登場した「海外ローミング放題SIM」は中国への渡航が多い方、赴任している方にとってはメリットの大きい「神SIM」なのではないでしょうか?ぜひ一度チェックしてみてくださいね!
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この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。