LCCの就航で更に身近になるベトナム。旅慣れた人はプリペイドSIMを使ったネット接続が安くてオススメです。いがモバはベトナム各地で携帯各社のSIMを購入。4社のAPN設定や速度を調査しました。LTE化が近づくベトナムの最新情報を紹介します!
【9月14日追記】バニラエアが就航したベトナム・ホーチミンからも利用できるLCC「ベトジェットエア」の搭乗記を公開しました。
【2016年10月18日追記】バニラエアの以遠権区間であるホーチミン~台北線の搭乗レポートを公開。日本人乗務員による質の高いサービスをお得に乗ることができる注目路線です!
LCC就航で身近になるベトナム・旅慣れた人はプリペイドSIMを
9月に日本のLCC「バニラエア」のホーチミン線が就航するベトナム。料金は片道1万円~と安く、ベトナムが更に身近な国になりそうです。
これからリピーターも増えてくると思いますが、旅慣れた人にお勧めなのが、現地の通信会社の「プリペイドSIM」を使ったネット接続です。
最近は日本でもSIMフリー端末が普及し始めているので、プリペイドSIMを自分の端末に入れて接続の設定をすれば、ローミングよりはるかに安い料金でインターネットに接続する事ができます。
ベトナムにはどんな通信会社があるの?
では、ベトナムにはどんな通信会社があるのでしょうか?2016年7月現在、ベトナムには日本と同じような「3大キャリア」があります。
ベトナムの3大キャリア(表記はブランド名)
この3社だけで携帯市場のシェアが90%を超える物凄い状態です。(シェアの数字は総務省の「世界情報通信事情」より引用)
3大キャリアの他には以下のような会社があります。
その他のベトナムの携帯キャリア(表記はブランド名)
- Vietnamobile(ベトナモバイル)
- Gmobile(ジーモバイル)
ベトナムはプリペイド式の契約が主流なので、日本人の私たちも気軽に購入する事ができます。
いがモバもせっかくベトナムを訪れたので、ベトナム各地でプリペイドSIMを契約してみる事にしました。
シェア1位:Viettel(ヴィッテル) 地方の電波に強み
シェア46.6%という驚異的な人気を誇るViettel(ヴィッテル)。意外にも歴史は浅く、2004年に設立したばかりの若い携帯キャリアです。
親会社はベトナム国防省で、 ベトナムの地方の電波状況が良いのが人気の理由の一つです。
いがモバはヴィッテルのプリペイドSIMを契約するため、ホーチミン市内の「プルマンサイゴンセンターホテル」の少し先にあるヴィッテルのキャリアショップに行ってみました。
Viettel Trần Hưng Đạo
Viettel Telecom Store
営業時間:午前8時~午後8時
日本のキャリアショップと同じ・きれいなヴィッテルの店内
ヴィッテルのお店の中は日本のキャリアショップと同じようにきれいな空間。
ちょうど受付カウンターが空いていたので、プリペイドSIMを契約したい事を告げるとすぐに手続きが始まりました。
ヴィッテルのお店ではパスポートのコピーと名前・生年月日などの記入が必要でした。
3.5GBが約230円!ヴィッテルの激安データパッケージ
ベトナムのプリペイドSIMは購入時にSIM代として数万ドン~約10万ドン(約500円)のお金が必要です。(お店によって違うので注意)。
後はチャージした金額から利用した分だけ残高が減っていくのですが、いろいろなオプションパックがあるので、それに申し込むとお得に利用する事ができます。(SMSで番号を送り登録するシステム)
今回は数日間しかいないので、店員さんと相談しながら30日間で3.5GB使える「D50」というパックを適応する事にしました。金額は50000ドン(237円)と激安です。
ヴィッテルのAPN設定は?
インターネットに接続するにはAPN設定が必要です。ヴィッテルのAPNは以下の通りです。
ヴィッテルAPN設定 | |
---|---|
APN | v-internet |
ユーザー名 | 不要 |
パスワード | 不要 |
ただ、ヴィッテルのSIMには設定情報が書き込まれているので、いがモバのスマホでは自動で読みこみました。
ヴィッテルの通信速度は良好!
ベトナムのプリペイドSIMを使い始めるには「900」に電話をかけてアクティベート(有効化)し、データパックを適応する場合は該当する文字をSMSで送る必要があります。
キャリアショップで購入した場合はこの面倒な手続きをすべてお任せできるのがメリットです。
開通したヴィッテルのSIMを11800円の激安価格で話題のSIMフリースマホ「arp AS01M」に入れると、すんなり3Gのアンテナマークが立ちました。
ヴィッテルの通信速度は下りが7.8Mbps・上りが1.4Mbpsと3G通信にしては良好な速度でした。
シェア2位:MobiFone(モビフォン) ベトナム初の携帯キャリア
ベトナムの携帯シェア2位のMobiFone(モビフォン)。1993年に設立したベトナム初の携帯キャリアで、親会社はベトナム情報通信省です。
いがモバはLCCの国内線に乗って地方の「ダラット」という高原の避暑地に行ったのですが、この街にもモビフォンのお店がありました。
MobiFone(モビフォン) のお姉さんも笑顔で接客
お店は空いていたのですぐに手続きが始まりました。
モビフォンのお店のお姉さんも愛想の良い人でした。
MobiFone(モビフォン) は1.6GBが330円!
モビフォンのお店でSIMを購入する時の代金は60000ドン(約285円)でした。
モビフォンにも沢山の料金パックがあるのですが、いがモバは「M70」を選択。
モビフォンの「M70」パックは30日間で1.6GB使えて、料金は70000ドン(約330円)と激安です。
MobiFone(モビフォン) のSIMは標準・マイクロ・ナノに1枚で対応
こちらがモビフォンのプリペイドSIMです。標準サイズのSIMにmicro、nanoサイズで切れ目が入っているので、使っているスマホのSIMサイズに合わせて切り抜くことができます。
MobiFone(モビフォン) のAPNは?
モビフォンのAPNは以下の通りです。
モビフォン APN設定 | |
---|---|
APN | m-wap |
ユーザー名 | mms |
パスワード | mms |
こちらもSIMに書かれたAPN設定を自動で読みこんだので、ほとんどのSIMフリースマホで入力は不要だと思います。
本来であれば料金パックの適応にSMSの送信が必要ですが、これも店員さんがやってくれました。楽ちん!
MobiFone(モビフォン) のSIMが開通!地方でもインターネットに繋がる
持参したSIMフリースマホ「arp AS01M」に開通したモビフォンのSIMを入れると自動でAPN情報を読み取り、すんなり3G接続が可能でした。(SIM入れ替え後にデータ接続をONにするのを忘れずに)
ベトナムの地方にいながら日本のニュースをリアルタイムで見られるのはとても便利です。
MobiFone(モビフォン) の通信速度は?混雑時間帯は遅め
ダラットの街で夕食を食べながらモビフォンの通信速度を計測してみると、下りが1.61Mbps、上りが0.64Mbpsでした。
結果があまり良くなかったのは、夕方の通信が混雑する時間帯だったのが影響しているかもしれません。日本の格安SIMと同じような現象ですね。
シェア3位:Vinaphone(ビナフォン) 郵政通信公社(VNPT)の子会社
ベトナムの携帯シェア3位はVinaphone(ビナフォン)です。
1996年に設立したベトナムで2番目の通信会社で、親会社はベトナム郵政通信公社(VNPT)です。
ワイホーのルーターもVinaphone(ビナフォン)の回線を使っている!
昨日の記事で紹介した「ワイホー」のベトナム用レンタルルーター。このルーターの中に、ビナフォンのSIMが入っていました。
ワイホーのベトナム用ルーターは料金が4日間で約2000円とかなりお得です。プリペイドSIMを買うにも初期費用が掛かるので、vinaphoneの回線を使いたいのであれば、ワイホーのルーターでもいいかなと思います。
Vinaphone(ビナフォン)のAPNは?
今回は日本で借りたルーターを利用しましたが、ビナフォンのプリペイドSIMを契約した場合のAPN設定は以下の通りです。
ビナフォン APN設定 | |
---|---|
APN | m3-world |
ユーザー名 | mms |
パスワード | mms |
こちらも基本的にはSIMの情報をスマホが自動で読み取るので、殆どのSIMフリースマホで入力は不要です。
Vinaphone(ビナフォン)の速度は良好
ビナフォンのSIMが入ったルーターのWiFiでスマホに接続し、速度を計測してみると、下りが10.9Mbps、上りが1.5Mbpsでした。
3G通信で10Mbpsを超えるのはかなり良い結果です。実際にベトナム各地で使いましたが、遅いと感じる事はほとんどありませんでした。
ベトナム携帯市場の第4極:Vietnamobile(ベトナモバイル)
3大キャリアがほぼ市場を独占する中で「第4極」として頑張っているのがVietnamobile(ベトナモバイル)。ハノイテレコムと香港のハチソンテレコムの合弁会社です。
shimajiro@mobilerさんの記事を参考に、ホーチミン市内にあるベトナモバイルのお店を訪れました。
高級ホテルの「インターコンチネンタルアシアナサイゴン」のお向かいにお店があるので、このホテルを目印に行ってみてくださいね。
閉店間際のベトナモバイルの店内
いがモバが訪れたのは夜7時前。閉店時間の間際だったので他にお客さんはいませんでした。
店内はオレンジ色の内装。キャリアのコーポレートカラーはオレンジのようです。
Vietnamobile(ベトナモバイル)の1GB95円の激安データパック
ベトナモバイルのSIMの購入代金は26000ドン(約120円)。他のキャリアより安いのが嬉しいポイントです。
追加する料金パックはベトナモバイルの場合は比較的シンプルでした。
いがモバはデータ通信だけで良いので、1GBのデータが使える「USB20」のパックを選んでみました。
パックの料金は20000ドン(約95円)と他の会社よりさらに激安。料金の安さがベトナモバイルの魅力ですね。
ベトナモバイルのSIMは標準のサイズしかないようで、お店のお姉さんがSIMカッターでスマホのSIMサイズに合わせてカットしてくれました。
いがモバの「arp AS01M」だと何故かSIM1は上手く認識せず、SIM2に入れ替えるとすんなり認識しました。デュアルSIMのSIMフリースマホでうまくいかない場合はスロットを変えると上手くいくかもしれません。
Vietnamobile(ベトナモバイル)のAPNは?
べトバモバイルのAPNは以下の通りです。
ベトナモバイル APN設定 | |
---|---|
APN | internet |
ユーザー名 | 不要 |
パスワード | 不要 |
こちらも自動でAPN設定が読みこまれたので、データ接続をONにすればすぐに接続できました。
Vietnamobile(ベトナモバイル)の通信速度は?
開通したベトナモバイルのSIMを使ってさっそくスピードテストを行いました。
結果は下りが5.2Mbps、上りが0.4Mbpsでした。何回か繰り返し計測しましたが、他の会社と比べると明らかに遅い結果となりました。
料金の安さを重視する人にベトナモバイルが向いているといえそうです。
GSMに特化:Gmobile(ジーモバイル)
今回時間が足りず契約できなかったのがGmobile(ジーモバイル)です。
2009年にロシアの会社の出資で設立され、現在は100%ベトナムの企業になりました。
Gmobile(ジーモバイル)はGSM(2G)のサービスに特化しているのが特徴です。通信の規格上、データ接続が遅いので日本人はあまり縁がなさそうです。
ベトナムの通信キャリア4社の速度を比較!
ベトナム旅行中に3社のプリペイドSIMを契約する事ができ、ヴィナフォンのSIMが入ったワイホーのルーターと合わせて4社の通信回線が勢ぞろいしました。
7月16日(土)の午前0時すぎ、ホーチミンのホテルの部屋で4社のスピードテストを行ってみました。
手を広げて4台同時に「テスト開始」を押します。よーいドン!
下りの最初はビナフォンがリード!ベトナモバイルが出遅れる
4つの端末が一斉にダウンロードを開始します。
4社の中でスタートダッシュが速かったのはビナフォンの回線でした。下りで8Mbpsを超えています。
一方、立ち上がりが遅いのはベトナモバイルでした。
上りはモビフォンがリード!ベトナモバイルがやはり遅い
下りの計測が終わった後は、アップロードの速度を計測します。
4社の中で上りのスタートダッシュが速かったのはモビフォン。3Mbpsを超えています。
遅いのはやはりベトナモバイル。0.4Mbpsと1Mbpsにも達していません。
ベトナムの携帯4社の速度テストの結果は?
3回に分けて計測した結果を平均すると、以下のようになりました。
ダウンロードの平均 | |
---|---|
ヴィッテル | 8.93Mbps |
モビフォン | 7.85Mbps |
ビナフォン | 8.51Mbps |
ベトナモバイル | 5.62Mbps |
ダウンロード(下り)は平均8.93Mbpsのヴィッテルが1位でした。ただ、3大キャリアはすべて平均8Mbps前後なので、実際の使用感に差はなさそうです。
また、ベトナモバイルは平均5.62Mbpsとやはり1段階遅いのですが、価格もその分安いのでトレードオフといったところです。
アップロードの平均 | |
---|---|
ヴィッテル | 1.73Mbps |
モビフォン | 3.30Mbps |
ビナフォン | 3.06Mbps |
ベトナモバイル | 0.48Mbps |
アップロード(上り)に関しては4社の差がはっきり出ました。
1位はモビフォンの平均3.30Mbps。最下位はベナモバイルの0.48Mbpsでした。ベトナモバイルは明らかにアップロードが遅いので、会社側で速度を絞っているのかもしれません。
ベトナム旅行中の写真などをSNSで共有したい人はベトナモバイルだとストレスを感じるかもしれません。3大キャリアのプリペイドSIMを使った方がよさそうです。
[aside type=”normal”]今回の速度調査はそれぞれ違う端末を使っているので、結果はあくまで参考程度に見てくださいね。[/aside]
ホーチミン市内でLTEの電波を発見!2016年の秋冬から大きな変化が
アジアで本格的に導入が進んでいる高速通信規格の「LTE」。ベトナムでは政府の意向で導入が遅れていましたが、今年に入って実証試験が行われるなど、いよいよサービス開始が近づいています。
ホーチミン市内に建設中の高島屋近くのカフェでLGV32を使ってネットワークを検索してみたところ、モビフォンとビナフォンのLTEの電波をキャッチしました。
ただ、このLTEの電波を選択してもネットワーク側から利用の許可が下りないのでまだ使えませんでした。う~ん残念。
シェア1位のヴィッテルも「今年の年末には・・・」という文章を公開しているので、ベトナムでは2016年の秋冬から通信規格の大きな変化が起こりそうです。
Viettel about to deploy 4G by the end of this year(ヴィッテル公式HPより)
今後プリペイドSIMでもLTEが使えるようになると思うので、ベトナム旅行中のネット接続がますます快適になりそうです。またその際にはレポートを書いてみたいと思います。
「ネットに繋がる喜び」は万国共通
ベトナムでプリペイドSIMを契約していて印象的だったのが、店員さんの笑顔でした。
お互いに片言英語でのコミュニケーションでしたが、一生懸命こちらの伝えたい事をくみ取ろうと聞いてくれる姿勢に感銘を受けました。
無事にプリペイドSIMが繋がった時には、どの店の店員さんも自分のことのように喜んでくれて、「インターネットに接続した時の喜び」は万国共通なのだと改めて感じました。
プリペイドSIMの契約には現地の人とのコミュニケーションが必要ですが、それも一つの旅の醍醐味です。ベトナム旅行にいかれる際はプリペイドSIMの契約にもチャレンジしてみてくださいね。
【9月14日追記】バニラエアが就航したホーチミンからも利用できるLCC「ベトジェットエア」の搭乗記を公開しました。
【2016年10月18日追記】バニラエアの以遠権区間であるホーチミン~台北線の搭乗レポートを公開。日本人乗務員による質の高いサービスをお得に乗ることができる注目路線です!
この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。