今年夏に誕生した海外用WiFiルーターレンタルの「jetfi」。「クラウドSIM」の新技術を活用しSIMを入れ替えることなく世界各国で4GLTEの高速通信を利用する事ができます。台湾やタイなどLCCの就航地で実際にテストしてきました!
海外モバイルの新たな選択肢「jetfi」
ことし8月、株式会社グローバルフューチャーコミュニケーションが個人向けの海外用レンタルルーターサービス「jetfi」(ジェットファイ)を開始しました。
一見、普通のWiFiレンタルに見える「jetfi」ですが、実は最新の技術が詰まったこれまでとは全く違うサービスなんです。きょうは年末年始の海外旅行にもピッタリな「jetfi」について紹介したいと思います。
ルーターの中にSIMがない!?新技術「クラウドSIM」を活用
通常、海外用のレンタルルーターには国ごとに現地通信会社のSIMが中に入っています。一方の「jetfi」のルーターの中にはSIMカードが入っていないんです。
これは「クラウドSIM」という最新技術を活用していて、国・会社ごとに違うSIMカードはすべてクラウド上の空間に存在しています。jetfiのルーターは最も電波状況の良い通信会社のネットワークに接続する仕組みになっています。
そのため、ルーターを利用する人は国や会社を意識せずに渡航先でルーターの電源をONにして、スマホ・PCとWiFi接続するだけで現地のLTE回線(一部の国では3G接続)で快適にインターネット接続ができるという訳なんです。
ちょっと難しい話ですが、jetfiは今後私たちの利用するスマホにも活用されるであろう「次世代の技術」を取り入れているんです。
いがモバは今年9月~10月にかけて、このjetfiのサービスを実際に体験して長期レビューを行いました。
これが「クラウドSIM」のルーター!「G2」実機レビュー
まず初めにjetfiで実際に貸し出しているルーターを紹介したいと思います。
現在貸し出している機種は「G2」というルーターです。(詳しい製品紹介ページはこちら)
3.5インチのタッチパネル液晶を備えていて、パッと見はコンパクトなスマホのようです。
SIMスロットに現地プリペイドSIMも挿せる
jetfiの「G2」の本体を横から見た写真です。microUSB規格の充電端子とSIMカードが2枚入るスロットがあります。基本はjetfiのクラウドSIMの技術を使った回線を利用しますが、持っているSIMカードを入れて、その回線を利用する事もできます。(SIMフリーです)
厚さは20.9ミリとかなり分厚いですが、内蔵電池が 6000mAhと大容量なのでトレードオフですね。
「G2」の本体左側側面には電源ボタンと音量ボタンがあります。
大容量バッテリーを採用 非常時には他のスマホの充電も可能
本体底面にはマイク穴とUSBポートがあります。マイク穴は現在は使えませんが、今後のアップデートでIP電話の通話機能も使えるようにする計画もあるそうです。
USBポートに他のガジェットを接続すると充電する事ができます。大容量電池はいざという時の保険にもなりますね。
ルーターの中身はandroid
そして「G2」の電源ををONにすると。。。
がっつりandroidをベースにしている事が分かります(笑)。
言語はもちろん日本語にも対応しています。
そしてルーターは電波の強い回線を探して、自動的にインターネットに接続します。
利用する側は画面に表示されたWiFiの名前をスマホやPC上で探して、パスワードを入れるだけで接続設定が完了です。
パソコン関係がちょっと苦手・・という方でもきっとできる簡単仕様です。
jetfiは日本でも使える 通信速度は?
世界中で使える事を売りにしているjetfiですが、もちろん日本でも利用する事ができます。
時間帯にもよりますが、4GLTEの速度は下り約25Mbps、上り約27Mbpsとバッチリです。
残念ながらjetfiの端末がどこの会社の回線に接続しているかは表示されません。いがモバのようなオタク以外は、あまり気にするようなポイントではないと思うので、ここは大丈夫でしょう(笑)。
jetfiと一緒に海外へ!
では早速jetfiのルーター「G2」を実際に海外で使ってみましょう。
今年9月末~10月頭にタイ国政府観光庁の「ブロガーGo!」旅でタイに行く機会があったので、旅のお供に持っていく事にしました。
タイ到着後 jetfiのルーターの電源をONに
いがモバはLCC「タイ・エアアジアX」に乗ってタイ・バンコクのドンムアン国際空港へ。到着後、さっそくjetfiのルーター「G2」の電源をONにします。
すると、ルーターが起動した後、SIMが入っていないのに電波を探しに行きます。「クラウドSIM」を使って接続する不思議な瞬間です。
SIMが無いのに4GLTEに繋がる不思議 タイの通信速度は?
そしてjetfiのルーター「G2」は現地タイの通信会社の4GLTEの電波をつかみました。
速度は下り約32Mbps、上り約30Mbpsとバッチリ。インターネットもサクサク見られました。
ただ、タイの通信あるあるで、土日の夜にバンコクの中心部にいると通信が込み合ってインターネットに接続しずらい時間がありました。これはjetfiに限らず起こる現象なので、繋がっている現地の会社の通信状況に準じるといったところでしょう。
jetfiが本領を発揮するのは周遊旅行時
jetfiのルーターで高速通信ができるのは1日500MBまでと決められています。それを超過すると日本の携帯キャリアのように速度が制限されます。(繋がらなくなるわけではない)通信量は毎日日本時間の深夜1時にリセットされます。
jetfiが凄い所は、国が変わった際にも通信量がリセットされる点です。
シンガポール→マレーシア→バンコクなどと1日で周遊する際などは、その国ごとに最大500MBずつ高速通信が利用できて料金は1日分しかかかりません。これは嬉しいですよね。jetfiは周遊旅行時に真価を発揮するんです。
jetfiの香港の通信速度は?
では他の国の通信速度をチェックしていきましょう。
日本以上に通信が快適な香港では下り約43Mbps、上り約21Mbpsと抜群のテスト結果に。動画もバッチリ見れました。
jetfiの台湾の通信速度は?
そして香港からLCC「香港エクスプレス」に乗って台湾・台中へ。
jetfiのルーターをONにするだけでスムーズに現地の通信回線に繋がり、下り約25Mbps、上り約11Mbpsとそこそこの結果に。
現地のプリペイドSIMをスマホに直に入れた時よりも若干速度が落ちていますが、それでも十分な速さです。
SIMの購入の手続きや、設定の事を考えれば電源ONだけで繋がる気軽さはかなり良いです。
jetfiの韓国での通信速度は?
そして最後は韓国・ソウルの仁川国際空港へ。こちらは下り上り共に約5Mbps前後とちょっといまいちな結果に。それでも簡単に繋がるのは嬉しいポイントです。
jetfiの豆知識として、電源ON後に一番電波が強いキャリアに接続するというルールがあるので、場所によって電源を入れなおすと電波によってつながる会社が変わり通信スピードが改善される場合があります。ぜひ覚えておいてくださいね。
期間限定キャンペーンでjetfiが割引価格に
便利だったjetfiのサービスですが、料金も気になるところですよね。
料金プランは使うエリアによって2種類に分かれています。アジア周辺国でのみ利用できる「アジア周遊プラン」と、全世界で利用できる「グローバル(世界周遊)プラン」です。それぞれ長期でレンタルするユーザーには30・60・90日の割安な「長期パック」もあります。
jetfiの料金プラン
・アジア周遊プラン
980円/日
→2017年1月末申込まで680円/日
・グローバル(世界周遊)プラン
1280円/日
→2017年1月末申込まで980円/日
2017年1月末までの申し込みで、それぞれ300円割引される期間限定のキャンペーンを行っています。アジア周遊プランの場合は1日680円と、1各国単独のルーターの他社の料金と同じ水準になっているので、かなり魅力的です。
ただ、jetfiは空港カウンターでの取り扱いが無く、往復の配送料が1250円別途かかるので注意してください。1か国しか行かないという方は従来通りのレンタルルーターの会社で借りたほうが良いでしょう。
LCCの周遊旅にはピッタリだったjetfi
今回初めて利用してみたjetfiのサービスでしたが、国を意識せずにルーターの電源をONにするだけで現地の4GLTEにスムーズに接続できるのはとても便利でした。
「クラウドSIM」という新技術を実際のサービスで体験でき、その感覚に不思議な気持ちになりましたが、凄い時代が確実に近づいてきている事を強く実感しました。今後「クラウドSIM」の技術はルーターだけでなく、私たちの普段使っているスマホにも活用されていく事でしょう。
アジアやヨーロッパなどはLCCが数多く就航し、多国間の周遊旅も気軽にできます。jetfiは国を意識せずスムーズに4GLTEの高速通信に接続でき、料金も1日単位なので活躍する事間違いなしです。ぜひ一度利用してみてくださいね!
この記事はブログ「いがモバ」で掲載されたものを移管したものです。